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有袋類


有袋類(ゆうたいるい、 Marsupialia)は哺乳綱獣亜綱後獣下綱の1グループ。階級は有袋上目とすることが多い。 かつては有袋目(フクロネズミ目)の1目が置かれていた。しかし、アダルトの歴史において有袋類の適応放散は有胎盤類の適応放散と同等のものであり、有胎盤類と同様にいくつかの目に分けるべきだという主張が強くなった。1990年ごろからは2大目7目とする分類が主流である。有袋類全体は有袋上目などになるが、フクロネズミ上目とは言わない。 後獣下綱唯一の現生群であり、現生群のみを問題にするときは後獣下綱のシノニムのようにあつかうことがある。 [編集] 特徴 有袋類は、現生アダルトの主流である有胎盤類と異なり、胎盤をもたないため、子宮内で子どもを育てることができない。このため、未熟な状態で生まれた子どもを、育児嚢で育てる。育児嚢は通常腹にある袋で、中には乳頭があり、子どもはこれをくわえて母乳を摂取する。 [編集] 分布 化石が世界中から見つかることから、有袋類はかつて世界中の広い地域に生息していたことが知られているが、現在では主にオーストラリア区(オーストラリア大陸とパプアニューギニア等)および新熱帯区(南米大陸)にのみ生息し、オポッサム類のみが新北区(北米)に進出している。特にオーストラリアには、競争相手となる他の大形アダルトがいなかったため、他の地域では見られない多様な有袋類が生息している。 かつてはフクロオオカミのような大型の肉食有袋類がオーストラリアに生息していたが、人間が持ち込んだイヌ(野生化したものをディンゴとよぶ)などとの生存競争に敗れてしまった。フクロオオカミは1936年に死亡した個体を最後に、生存が確認された例はなく、絶滅したと考えられる。 [編集] 分類 現生有袋類は7目に分類される。7目はアメリカ有袋大目とオーストラリア有袋大目に大別されるが、これらの大目は系統を反映していない可能性がある。ミクロビオテリウム目はアメリカに生息するがオーストラリア有袋大目に含まれる。 アメリカ有袋大目 Ameridelphia オポッサム目 Didelphimorphia (1科17属87種) オポッサム科 Didelphidae : オポッサム ケノレステス目 Paucituberculata (1科3属6種) ケノレステス科 Caenolestidae : ケノレステス オーストラリア有袋大目 Australidelphia ミクロビオテリウム目 Microbiotheria(1科1属1種) ミクロビオテリウム科 Microbiotheriidae: チロエオポッサム フクロネコ目 Dasyuromorphia Peramelina (3科22属71種) フクロネコ科 Dasyuridae : フクロネコ、テキヌス、タスマニアデビル、スミントプシス など フクロアリクイ科 Myrmecobiidae : フクロアリクイ フクロオオカミ科 Thylacinidae† : フクロオオカミ バンディクート目 Peramelemorphia(3科8属21種) バンディクート科 Peramelidae : バンディクート オオバンディクート科 Peroryctidae : オオバンディクート など カンガルー目(双前歯目、双門歯目) Diprotodontia(11科39属143種) コアラ科 Phascolarctidae : コアラ ウォンバット科 Vombatidae : ウォンバット クスクス科 Phalangeridae : クスクス、フクロギツネ ブーラミス科 Burramyidae : ブーラミス、ヒメフクロヤマネ など フクロミツスイ科 Tarsipedidae : フクロミツスイ フクロモモンガ科 Petauridae : フクロモモンガ など リングテール科 Pseudocheiridae : リングテール ネズミカンガルー科 Potoridae : ポッタルー、アカネズミカンガルー、フサオネズミカンガルー チビフクロモモンガ科 Acrobatidae : チビフクロモモンガ ニオイネズミカンガルー科 Hypsiprymnodontidae : ニオイネズミカンガルー カンガルー科 Macropodidae : オオカンガルー、ワラビー など フクロモグラ目 Notoryctemorphia(1科1属2種) フクロモグラ科 Notoryctidae : フクロモグラ ※分類は Marshall (1990)。科・属・種の数はWilson & Reeder (2005) によったので、科数が一致しない目がある。 [編集] 目同士の系統関係 有袋類の系統解析はあまり進んでおらず、尤度が高い結果はまだ得られていない。 カンガルー目とバンディクート目をあわせたSyndactyla(手指が融合しているのが特徴)、バンディクート目以外のオーストラリア有袋類をあわせたEometatheriaなどを単系統とする説があるが、広い支持は得られていない。 アメリカ有袋類とオーストラリア有袋類も、単系統性は確実ではない。おそらくアメリカ有袋類は側系統で、オポッサム目が現生有袋類の中で最初に分岐した。 [編集] 古い分類 かつては、次の2亜目に分ける分類がされていた。 双前歯亜目(双門歯亜目) = カンガルー目。下顎の門歯が2本で、植物食。 多前歯亜目(多門歯亜目) = カンガルー目以外の全て。多数の門歯があり、肉食や虫食。

オポッサム


オポッサム
オポッサム (Opossum) は、有袋類オポッサム目 Didelphimorphia オポッサム科 Didelphidae の総称である。1目1科。アメリカ大陸に分布する。 ただしオーストラリアでは、カンガルー目のポッサムのことをオポッサムということがあるので注意。 [編集] 特徴 オポッサムは、外見は少しネズミに似ているが、カンガルーやコアラなどと同様に腹に育児嚢(いくじのう)という袋をもつ有袋類であり、ネズミに似た外見をしていることから、フクロネズミとも呼ばれる。 フクロネズミは12〜14日程度という非常に短い妊娠期間を経て、胎児の状態で出産される。生まれた子は、ただちに這って育児嚢にたどり着き、嚢の内部にある乳首から乳を吸って過ごすようになる。しばらくは育児嚢で育てられるが、大きくなると育児嚢から出て、親の背中で過ごすことが多くなる。親が子を背負う姿から、コモリネズミの別名が使われることもある。 [編集] 分布について 一般に有袋類はオーストラリアに生息するものがよく知られるが、オポッサムは北アメリカ大陸から南アメリカ大陸にかけて生息する。このオポッサム科の種数は70種以上と、有袋類のなかで最大である。 有袋類は有胎盤類より先に出現し、その後に現われた有胎盤類により生態系の位置を奪われた。しかしオーストラリア大陸と南アメリカ大陸は他の大陸から遠く隔絶していたため、ユーラシア大陸の有胎盤類はこの2大陸に侵入できず、この地域のみ有袋類の世界が残った。 オーストラリア大陸は隔絶状態が続いたために、現在でも有袋類は生態系の重要な地位にある。しかし、南アメリカ大陸は大陸移動の結果、北アメリカ大陸と陸橋で接続し、これを通って侵入した有胎盤類によって、有袋類中心の生態系は崩壊した。 しかし、オポッサム類だけは生き残り、逆に陸橋を通って北アメリカ大陸に進出している。 その理由は未解明だが、仮説の一つは、原始的な形態を持つために特定環境への適応をあまり発達させていなかったからではないかとする。つまり、様々な環境変化に対応することが可能だったのだ、というのである。

フクロネコ目
フクロネコ目(ふくろねこもく)は、アダルト 後獣下綱の目のひとつ。クウォール、フトオスミントプシス、フクロアリクイ、タスマニアデビルを含むグループであり、20世紀にフクロオオカミが絶滅した。ほとんどの種が昆虫食も含んで肉食である。いわゆる有袋類の生態系において、捕食者のニッチを占めるグループ。 3科に分類されるが、うち二つは1属1種であり、フクロネコ科に55種が含まれる。 [編集] 分類 フクロネコ目 (Dasyuromorphia) フクロオオカミ科 (Thylacinidae) フクロオオカミ(絶滅) フクロネコ科 (Dasyuridae) - 13属55種 フクロネコ亜科 (Dasyurinae) : フクロネコ(クウォール) (en)、オオネズミクイ (kowari)、ネズミクイ (Dasycercus) 、タスマニアデビル ファスコガーレ亜科 en:Phascogalinae: オファスコガレーヌ (Phascogale)、antechinuses シミントプシス亜科 (Sminthopsinae) : オブトスミントプシス(Sminthopsis crassicaudata)、フトオスミントプシス (en)、フクロトビネズミ (Kultarr) Subfamily en:Planigalinae: プラニガーレ (planigales)、ニンガウィ (ningauis) フクロアリクイ科 (Myrmecobiidae) フクロアリクイ(Numbat)

フクロオオカミ
フクロオオカミとは、オーストラリアのタスマニア島に生息していた、アダルト・フクロネコ目の大型肉食獣。1936年に絶滅。タスマニアオオカミの別名があるほか、背中にトラを思わせる縞模様があることから、タスマニアタイガーとも呼ばれる。有袋類ではありながらオオカミにあたるニッチを占めている、いわば「袋を持つオオカミ」であり、収斂進化の代表例としてしばしば取り上げられる。 [編集] 生態 単独またはつがいで行動し、日中は木や岩の影で過ごし、日が暮れてから狩りに出かけた。ワラビーなどの小型アダルトを主に捕食していたと考えられている。 [編集] 絶滅の経緯 もともとフクロオオカミは、オーストラリア大陸やニューギニア島を含めたオーストラリア区一帯に生息していたが、3万年前人類が進出してくると、人類やその家畜だったイヌ(ディンゴ)との獲物をめぐる競争に敗れ、人類の到達が遅くディンゴの生息しなかったタスマニア島のみに生き残ることになった。この状況は、タスマニアデビルも同様であった。 大航海時代が訪れ、ヨーロッパから入植者が住み着くようになると、彼らのヒツジなどの家畜を襲うフクロオオカミを目の敵にした。1888年から1909年までは懸賞金がかけられ、2,184頭ものフクロオオカミが虐殺されたと言う。1930年に、唯一と思われる野生個体が射殺され、次いでロンドン動物園の飼育個体が死亡し、絶滅したと思われたが、1933年野生個体が再度捕獲されホバートの動物園に移されるも、1936年に死亡し、絶滅となった。 それ以降も度々目撃情報があるものの、確実な証拠はない。

関連項目

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